女子サッカーは10億ドル規模の産業へと成長する見通しだが、多くのプロ選手は依然として低賃金で、不安定な契約のもとで働き、心理的ストレスの高まりを経験している。
選手組合Fifproが800人以上のサッカー選手を対象に実施した新たな世界規模の調査で、こうした結果が明らかになった。(外部サイト)
選手たちは、なぜ早期にサッカーを辞める可能性があるのかを尋ねられた。報告書によると、競技を早期に離れることを検討している選手のうち、59%が経済的な理由を挙げ、46%は心理的ストレスも要因として挙げた。
Fifproの女子サッカー部門責任者、アレックス・カルビン氏は、この増加には単一の原因があるわけではないと述べた。要因として、世間の注目の高まり、経済的不安定さ、十分でない支援体制を挙げた。
「選手たちは今、とても人目に触れる存在です」と同氏は話した。
「選手たちは人目に触れることを求められているだけでなく、そうせざるを得ません。受け取る安定した収入が不足しているため、低い収入を補う必要があるからです」
メンタルヘルスの問題への認識は高まっているものの、多くの選手は一人で対処するしかないと感じているとカルビン氏は説明した。
「選手たちは心理的ストレスが高まっている一方で、メンタルヘルスの面で必要な支援を、クラブからも代表チームからも受けられていないと報告しています」と同氏は述べた。
報告書によると、調査に回答した女性のうち、合計57%がメンタルヘルスの問題を抱えており、その半数はクラブから支援を受けていなかった。
報告書は、女子サッカーの世界収益が2024年の約5億8,100万ドル(4億3,900万ポンド)から、2027年には10億ドル(7億5,600万ポンド)を超えると予測している。
また、女子プロサッカー選手が直面する、新たな心理的プレッシャーにも焦点を当てている。
デジタル化が進む世界で、選手たちはソーシャルメディアを通じてかつてないほどアクセスしやすい存在となり、ファンとの距離が縮まる一方で、オンライン上の嫌がらせや中傷にもさらされている。
Fifproの調査は、2017年以降、給与や知名度、投資が大幅に伸びたものの、プロサッカー界の多くは依然として不安定な環境で運営されていると示唆した。
カルビン氏によると、この競技の商業的成長には、それを支える選手を守る仕組みがまだ追いついていない。
「女子サッカーの経済的な有望性は証明されました」と同氏は述べた。
「選手を保護し、その力をさらに伸ばして、最大限のパフォーマンスを発揮できるようにするには、制度上の規制や政策の整備を迅速に進める必要があると思います」
報告書で特に注目される結果の一つは、選手自身が自らのプロとしての立場をどう捉えているかだ。
FIFAの定義では、プロ選手とは書面による契約を結び、プレーにかかる費用を上回る報酬を受け取る選手を指す。
調査では、選手の62%が自分をプロと回答し、27%がセミプロ、12%がアマチュアを選んだ。
調査対象の選手は全員、自国の最上位リーグに所属するクラブでプレーしていたが、書面による契約があると答えたのは78%、クラブから報酬を受け取っていると答えたのは82%にとどまった。
しかし、その報酬でサッカーをするための費用を賄えると答えたのは、わずか57%だった。
「プロでありながら、自分をプロだと認識していない、あるいはそう感じていない選手は、従業員としての恩恵を十分に受けていません」とカルビン氏は述べた。
報告書は、給与の伸びにも限界があることを指摘している。月収の平均値は2017年から3倍になり、2,601ドル(1,970ポンド)となったが、中央値はわずか1,669ドル(1,250ポンド)だ。
月収の平均は地域によって大きく異なり、北米では6,450ドル(4,886ポンド)、中・西欧では3,982ドル(3,016ポンド)である一方、東欧では878ドル(664ポンド)、アフリカではわずか480ドル(363ポンド)となっている。
米国やメキシコなどのリーグでは給与が大幅に上昇している一方、東欧10カ国の平均給与は依然として国の最低賃金を下回っている。
西欧やアジア・オセアニアのように、比較的大きなサッカー市場を含む地域でさえ、平均給与は国の最低賃金を大きく上回っていない。
報告書は個々の国ではなく地域に焦点を当てているため、Fifproはリーグごとの平均給与を提示できなかった。
平均契約期間も、2017年の約1年から19カ月に延びたが、多くの選手は依然として収入が保証されない期間に直面している。
「年間12カ月分の報酬を受け取っている選手は、わずか3分の2です」とカルビン氏は述べた。
「7カ月や9カ月の契約を結んでいる選手も多く、暦年の残りの期間を埋めるために働かなければなりません」
同氏は、女子サッカーの急速な商業的成長が、こうした現実の一部を見えにくくしていると考えている。
イングランドの女子スーパーリーグが急速に成長している一方で、Fifproは、トップレベルの環境によって、他の地域にいる多くの選手の実情が覆い隠される可能性があると述べている。
カルビン氏は、女子サッカーの経済的なブームが「選手たちが日々直面し、実際に耐えている現実の一部を覆い隠す」おそれがあると警告した。
また報告書によると、過去2シーズンに給与の支払いが遅れた経験がある選手は24%に上り、年金が支給されていない選手は42%だった。
カルビン氏は、期待と現実の乖離が広がっていると主張する。
「選手たちが苦しんでおり、必要な包括的支援や説明責任が欠けているということに、サッカー界全体が目を覚ます必要があると思います」と同氏は述べた。
ただし、すべての傾向が悪いわけではない。
競技で大きな改善が実感されている分野の一つは、親になることをめぐる環境だ。
2017年には、早期に競技を離れることを検討している回答者のほぼ半数が、家庭を持ちたいという希望がサッカーを辞める理由になり得ると答えていた。
この割合は現在19%に低下しており、Fifproはその一因として、2021年にFIFAが導入し、2年前に改定した出産に関する規則を挙げている。
「私たちが導き出した結論のうち、非常に重要だと思うのは、的を絞った規制介入が効果を発揮するということです。出産に関する規則は2021年に導入されました」とカルビン氏は述べた。
報告書は、女子サッカー界で格差が広がっていることを指摘している。トップクラスのクラブや選手は投資や知名度の恩恵を受けている一方、世界の選手の多くは依然として脆弱な立場にある。
「この産業は、選手の上位5%に大きく焦点を当てています」とカルビン氏は述べた。
「しかし残る95%の選手は、給与の支払いが遅れたり、短期契約だったりします。12カ月分の報酬を受け取れず、非常に脆弱で不安定な環境に置かれているのです」
それでもFifproは、解決策は成長を減速させることではなく、商業的な成功と選手の福祉をともに発展させることだと強調している。
「商業的成長と選手保護のどちらかを選ぶ必要はありません」とカルビン氏は述べた。
「この二つは連動し、並行して進められるべきです」
同氏の結論は明確だ。
「私たちが訴えているのは、もう十分だということです。サッカー界は選手のニーズに応え、選手の声を中心に据える必要があります。選手に影響する決定が下される際には、選手自身がその議論の場に加われるようにしなければなりません」